データ付き九輪塔
最近は草系のハオルチアだけでなく、硬葉系やレツーサ系のハオルチアも集めるようになってしまった。
普及品種ほど雑に扱われがちで、名前がテキトーだったり、データがなかったりする。
ということで2018年、草系を購入するついでにEden Plantsから硬葉系ハオルチアを輸入。そしたら思いのほかかっこよかったので他の種もほしくなってしまった。
Haworthia coarctata (左)とH. reinwardtii (右). 質感はよく似ているが、葉の結節(白いやつ)の付き方が全く違う。成長は思ったより早い。
似たりよったりのものが多い硬葉系のハオルチアだが、並べると結構ちがう。
硬葉系のハオルチアの園芸名はなんか似たような名前のものが多くあるため、どれがどの種(個体?)に対応するかよくわからない。
Haworthia coarctata IB6543, Holling Grove. いたって普通の硬葉系ハオルチア。白点は小さく、裏面にしか存在しない。いわゆる「九輪塔」とよばれているのはこのタイプか?
Haworthia reinwardtii DMC12189, Percival. H. reinwardtiiはもっと葉が長いイメージがあるが、これはそうでもない。白点は葉の表にも少し出る。
以下お名前タイム
H. coarctata ははじめからHaworthiaとして記載。
Haworthia coarctata Haw., Philos. Mag. J. 66: 301 (1824).
その後、アロエに移ったりしながら、変種に降格。
Haworthia reinwardtii var. coarctata (Haw.) Halda, Acta Mus. Richnov., Sect. Nat. 4(2): 40 (1997).
現在は種の位置で、Haworthiopsisに移動。
Haworthiopsis coarctata (Haw.) G.D.Rowley, Alsterworthia Int., Special Issue 10: 4 (2013).
Breuerはreinwardtiiの変種としている。
Haworthiopsis reinwardtii var. coarctata (Haw.) Breuer, Alsterworthia Int. 16(2): 7 (2016).
H. reinwardtiiはあまりシノニムがない。はじめアロエとして記載され、
Aloe reinwardtii Salm-Dyck, Observ. Bot. Horto Dyck.: 37 (1821).
その後ハオルチアに移動
Haworthia reinwardtii (Salm-Dyck) Haw., Saxifrag. Enum. 2: 53 (1821).
現在はそのままハオルチオプシスに移動。
Haworthiopsis coarctata (Haw.) G.D.Rowley, Alsterworthia Int., Special Issue 10: 4 (2013).
やはりHaworthiaとHaworthiopsisが分かれているのは慣れない。まあ軟葉系と硬葉系は別属になっても不思議ではない程度には見た目が違う気がする。実際葉緑体DNAの系統樹ではAloeやらGasteriaやらが内群になるようだし。ただ、見た目的には軟葉系と硬葉系は1グループっぽい。たぶん交雑して変な感じになっているのでは。