サギソウ
白鷺のような花を咲かせることで有名なサギソウ(Pecteilis radiata)。早咲きの系統が咲いたので、紹介する。最近よくいろいろな産地の花が流通しているが、北の系統ほど開花の時期が早いようだ。
サギソウ(Pecteilis radiata 福島県産)の花。優雅で涼しげな花。(2020. VII. 24.)
栽培は難しくはないが、簡単というほどでもない。花芽にアザミウマがついて花茎が枯れることがあるので注意が必要。鉢の温度が上がるのもあまりよろしくない気がする。水切れは論外。
学名はやや混乱があり、サギソウ属(Peteilis)とする説と、ミズトンボ属(Habenaria)とする説がある。この仲間の学名はいろいろと面倒だが、花の構造を重視すれば、
Pecteilis radiata (Thunb.) Raf., Fl. Tellur. 2: 38 (1837).
ただ、サギソウ属やミズトンボ属などは、遺伝的に単系統ではないことから、一括してミズトンボ属とみなすこともできる。その場合は、
Habenaria radiata (Thunb.) Spreng., Syst. Veg. 3: 693 (1826).
とすればいい気がする。ちなみにサギソウとミズトンボは交雑する。遺伝子をみればすべて解決、というわけにはいかないのが分類の面倒なところ。でもそれがいい。