Haworthi-Ya

草と分類

玉花蘭 明玉宝

最近はハオルチアばかりだったので、今日はランの紹介。

細葉系の恵蘭(ほんとは蕙蘭)の一群に玉花蘭というものがある。細葉恵蘭は分類が細かく、それぞれの名称がどのようなグループにあてられているのかよく理解していない。玉花蘭(ギョッカラン)はどうも細葉恵蘭のうち、中型で、葉に光沢のあるもののようだ。

玉花蘭の登録品種は、10種ちょっとあるようだが、ほとんどのものは'北中'という品種から斑の変化したものらしい。

まず、無地の品種'北中'から中斑縞の'明玉'が出現、そこから中透縞に変化したものが今回紹介する '明玉宝'らしい。

 

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玉花蘭 '明玉宝' Cymbidium ensifolium 'Mingyokuho (?)'  斑入りのランは新芽の季節が一番美しいと思う。明るめの棚に出したら葉焼けしてしまった。

 

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玉花蘭 '明玉宝' Cymbidium ensifolium 'Mingyokuho (?)'  見事な白中透縞。よく見ると先端は青く、紺帽子と呼ばれる状態になっている。

 

いわゆる細葉恵蘭と呼ばれるものは、学名の上では1種、Cymbidium ensifoliumの変異の範疇として扱われている。この処理には疑問があり、たしかにみんなよく似ているのだが、建蘭(雄蘭)なんかは明らかに草姿が違うし、ほかにも葉の鋸歯の感じが違うものもいる。ということで、複数の種を含んだSpecies Complexとして扱うのがいいだろうと思う。もちろんどの種にどの名前が当てられるかはよくわからず、今後の研究が期待される。過去には、品種群ごとに違う学名がつけられていたこともあるが、これは明らかに分けすぎだろう。近年は遺伝子を調べられるようになったので、いずれ解明されるかな、と思う。最近は中国のグループが蘭の分類をやっており、彼らなら細葉恵蘭の産地間の形態比較なんかもできるはずなので、期待している。

 

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玉花蘭 '明玉宝' Cymbidium ensifolium 'Mingyokuho (?)'  新芽が2本でたが、1本は中透になりそうな雰囲気がある。この場合'明玉'の中透である'有明'と区別がつかなくなる?